熟柿

何度か雪が降ってまだなお収穫せずに残っている柿の木がある。
むかし、むかしは子ども達のおやつになり、大人たちの食後の楽しみになったのだと思うが、今はただたわわな熟柿が白い雪をかぶっていい風景になっている。
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今年は一本の木に千個以上も実をつけた柿の木から多くの恵みをいただいた。
保存がきくように干し柿をたくさん作ったが、フレッシュな柿も食べたくて10キロほどは『さわし柿』にした。
ビタミン豊富で『医者いらず』と言われる柿だが、外の段ボールの中で残っているのが何個かあった。
天然の冷蔵庫で冷やされた柿は、もうこれ以上薄くならないというほど皮が薄くなり、皮と実の境がわからないほど熟していた。
それを暖かい部屋で食べる楽しみは冬ならではのもの、破かないように大事に箱から取り出し、洗ってヘタを切った、そして半分ほど丁寧に皮をむいた。

こんな俳句があった。

不器用の手にもてあます大熟柿   一瀬昭子
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グレープフルーツ用のスプーンで一匙 掬う。
冬の空気で冷やされた柿の実はもはや柿ではなく上質のゼリーのようだ。
口いっぱいに冷たい甘さが広がり、つるりと喉を通っていく。
皮をむいた半分までは順調に掬えたが、そのあとは薄くなった皮を破らないように実を掬わなければならない。
こんな事ならお皿になんてのせずにヘタを持って食べればよかったと思ったりする。

熟柿吸ふや小鳥の気分になりきつて 府川昭子

雪が降るころになるとまだ木についている柿は『柿色』を通り越してサーモンピンクのような色に見えてくる。
内側の果肉が熟して透きとおるからなのだろう。
真っ白な雪をかぶった熟柿はたくさんの灯りのようにも見える。

東側の窓べに置いてあるステンドグラスのランプは暖かな柿色。
もう20年もたつだろうか、クリスマスが近づいたころ求めたランプ。
ブルーやグリーンなど寒色ばかりに目が行く私に『寒い時は暖かな色がいいよ』と言ったのは夫だった。
スイッチを入れて灯りをともすと、夫の言うように暖かい色は心地いい。
この季節、日没までの時間をこの灯りで過ごしている。
暖かな色合いはさっき食べた熟柿の色合いにそっくりだった。
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母在りし頃の灯のこと熟柿の色   笹原ひろむ
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晩ご飯
 久し振りのヒレカツ 味美菜のナムル キムチご飯
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お弁当
 がんもどきと野菜・きのこの煮物、ゆで卵、ほうれん草、ひじきの煮物、漬物
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by hanamomo08 | 2016-12-12 19:52 | 美味しいもの | Comments(14)
Commented by oshibanayoshimi at 2016-12-12 21:25
こんばんは。
昔は、オレンジ色のことを「柿色」って言いましたよね・・・
最近この言葉を聞きません。
熟し柿、子供の頃の冬のおやつでしたね・・・。種の周りがゼリー状で、美味しかったです。

キムチご飯、キムチを刻んで混ぜてあるのですか?
Commented at 2016-12-12 23:18
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by こんの at 2016-12-13 07:47 x
お弁当
 がんもどきと野菜・きのこの煮物、ゆで卵、ほうれん草、ひじきの煮物、漬物

「和食」の極み これ以上はなにも望まない(笑)
Commented by ウーロンパンダ at 2016-12-13 09:20 x
こんにちは。

過去のものもさかのぼって見させていただきました。

柿木、風情がありますね。
今年は、柿が豊作だったと 実家の近所のひとが言っていました。
豊作すぎるのか、とらずに放置されている柿の多いこと。
秋田に行ったとき そう感じました。

あと、しょっつる。
いま、買うかどうするか 悩んでます。
私が住んでいるところでは 一種類しか売っていませんが(もちろん秋田県産) 秋田では何種類もあるんですよね。
なんだかちょっとうらやましい。
秋田に行ったときに、ちゃんと見てかってくればよかったな~

Commented by unburro at 2016-12-13 10:46
雪国の灯り、やさしき熟柿色
円熟の夫婦の色、かもしれませんね~

私は、とろとろの熟柿をヨーグルトと一緒に食べるのが好きです。
Commented by aomeumi at 2016-12-13 11:12
青目
暖かい部屋で食べる冷たいものは・・・幸福ですね。南ポルトガルでは、この柔らかいものしか出回りませんでした。皮ごと皿におき、ヘタは簡単に取れるくらい。それをスプーンですくって食べます。渋柿でも平気で食べますね、彼らは・・・舌が鈍感。干柿にしたいときは八百屋に頼みましたが、こんな固いもの、どうするの ? と、いぶかしがられました。
Commented by Deko at 2016-12-13 15:05 x
本当にたくさんの柿がすずごなりですね。鳥たちが喜んでいるのでしょうね。隣家の柿の木にも早朝から鳥さんが沢山おしよせていますよ。なんだか美味しい食べ物がここにあるよという声が聞こえてきそうです。
Commented by hanamomo08 at 2016-12-15 16:51
> oshibanayoshimiさん
おばんです。
柿色・・・・・今はその柿の色がどんな色か知らない子どももいると聞きました。
嘆かわしい事です。

段ボールに入れて外に置くとものすごく冷えて美味しくなっています。
yoshimiさんが食べた柿には種があったのですね。
種の周りってゼリー状でしたよね。

キムチのご飯は、残り少なくなったキムチをごま油でちょっと炒めて、熱々のご飯を入れて混ぜただけです。
味が足りなければお醤油少々入れると美味しいです。
Commented by hanamomo08 at 2016-12-15 16:53
>2016-12-12 23:18 の鍵さんへ
おばんです。
とうとう冬になりましたね。
こちらこそありがたいことでした。
そうでしたか、使ってくださってありがとう。

本当にすぐ近く!
後方でぺちゃくちゃうるさいおばさんいませんでした?(笑)
Commented by hanamomo08 at 2016-12-15 16:57
>こんのさん
おばんです。
体のことを考えて作るお弁当はいつもこんな感じになってしまいます。
美味しいステーキをのせたり、おしゃれなサンドウィッチだったらもっとお昼が楽しみになるのでしょうが、野菜をなるべく多く、カロリー少な目、塩分も採りすぎず・・・・となるとね。
こんのさんの奥様が作ったらお弁当の片隅に
山形の『おみ漬け』なんかが入るんでしょうね。
おみ漬けでお茶漬け好きです!
Commented by hanamomo08 at 2016-12-15 17:01
>ウーロンパンダさん
おばんです。
見てくださってありがとう♪
今日はそちらも吹雪ですか?
秋田は今ものすごい風ですよー。

確かに今年は柿の当たり年だったようです。
でも収穫しない木が多いのは豊作だからでもなく、採る人がいないからでしょう。

しょっつる・・・・白神のも美味しいし、男鹿の諸井さんちのも美味しいです。
成分をよく見ると、主にハタハタで作っているのもあれば、鰯や秋刀魚が多い物もありました。
道の駅にいくといろいろな種類が置いてあるかもしれません。
ハタハタ好きですか?好きですよね、秋田県民だもの。
Commented by hanamomo08 at 2016-12-15 17:06
> unburroさん
おばんです。
>円熟の夫婦の色
オホホホホ!ぐったり、色あせ気味の夫婦です。
このコメントをもらって熟柿をヨーグルトに入れて食べてみました。
美味しい食べ方です!もちろん小岩井ヨーグルトにね。
それからもう一つ、ブログのお友達が発明した食べ方ですが、
『ホットミルクにいちじくのコンポートを一ついれて、それを崩しながらすする』という食べ方。
これも美味しいんです。
Commented by hanamomo08 at 2016-12-15 17:10
> aomeumiさん
おばんです。
北国の楽しみは寒い時期に暖かい部屋で冷たいものを食べる事。(なんてへそ曲がり!)
南ポルトガルは面白いところ!
暖かいから熟してしまうのかな~。

渋くても食べるの?いや~日本人はちょっと渋いだけでもだめだ~といって口から出しますよね。
干し柿は八百屋さんに作ってもらうんですね。
これも面白い文化!
暖かい土地だから作り方があるのでしょうね。
生の果物が豊富なところだから干すという食文化がないのでしょうか?
青目さんちの干し柿もそろそろ出来てきましたか?
Commented by hanamomo08 at 2016-12-15 17:13
>Dekoさん
おばんです。
このお宅の人に伺った事があるのですが、これも渋柿だそうです。(秋田は甘い柿がほとんどないです)
柿は渋いうちは採りも食べないようです。
Dekoさんのお隣の柿は甘柿なのでしょうか?
小鳥は鳴いて仲間を呼びますね。
我が家のエゴの実もほとんどもう実はないに等しいのに、やまがらが朝から来ております。


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