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散花

日曜日、産直に向かう道すがら、沿道の百日紅がまだなお咲き続けている。
夏を告げる花でもあり、秋を告げる花でもある。
『百日紅』と表現されるように長い間楽しませてくれる花だ。

気のせいだろうか、夏の初めは桃色の百日紅が多かったのに、真紅の百日紅が多くなった。
花の色によって咲く時期が少し違うのは『つつじ』で知っている。

九月になり、早く咲いた百日紅は散花となって、道を赤く染め始めた。

百日紅命を燃やしはじめけり 家塚洋子

百日紅夕空に触れこぼれけり 宮津昭彦
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柔らかい布でつくったフリルのような花は少しの風で枝を離れ、ふわりと地面に降りてくる。

百日紅生きる力の美しき 山根征子
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やがてすべての花が散ると、小さな鈴のような実が現れて、青かった葉が美しい色に染まる。
赤でもなく、黄色でもない、本当に秋にふさわしい橙色。
長い間目を楽しませてくれたさるすべりの花、今度は紅葉を喜び、落葉したあとは実のシルエットを静かに見せてもらおう。

掃き寄する塵も薄紅百日紅 大西まりゑ
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秋の食材
魚屋さんに『いくら』が並び始めている。
もう少し秋めいてくるとすこし安くなるが、出始めのいくらは皮が柔らかでおいしい。
一本求め、母のやり方でばらしてから、お醤油と酒を合わせた煮汁でほんの少し火を入れる。
一晩いくらに味をすわせ、今朝、ご飯に載せていただいた。
いくら独特の濃厚な旨みがたまらない。
ここ数年高値が続いているので、今年はどんな様子だろうと気になる。
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これも秋の食材「さつまいも」
母の喉には詰まりやすい食材なのでつぶしてからフードプロセッサーにかけて天ぷらにした。
口当たりが滑らかで美味しい。
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# by hanamomo08 | 2016-09-19 15:45 | 草花

和菓子の楽しみ

青森へ出張だった夫が美味しいお土産を携えて帰ってきた。
宿泊のホテルで美味しい和菓子屋をたずねたら、フロントの女性が『寿々炉』と教えてくれたらしい。
このお店、こちらで拝見して憧れていた。

出張の帰りにもうひとつパーティーがあったので、コンビニで氷を買って冷やしながら持ち帰った。

季節の和菓子はまず目で楽しむ。
蕎麦粉が入った『栗薯蕷饅頭』と『小さな秋』という上生菓子。
和菓子の楽しみ_d0337265_16171715.jpg

『小さな秋』の白い生地は母の好きなかるかんだった。
上品な粒餡とかるかん生地の間にはういろうがはさんであった。
着物の伊達襟のようであんこもかるかんもひきたつ。

『栗薯蕷饅頭』のほうも栗に入れると栗が硬くなくねっとりとした薯蕷生地との相性がいい。
久し振りに美味しい和菓子をいただいた。
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甘すぎず、上品な甘さはさすがだと思った。
食べた後口に中に嫌な甘さが残らない。
もう一種類あるが、それはまた明日にしよう。

帰りに寄ったおめでたい席でも甘いものをいただいてきた。
こちらも大きな薯蕷饅頭、冷凍すると日持ちはするが、しっとりとした薯蕷生地を楽しむには少しずついただくしかない。
そして、母の通うリハビリのほうからも敬老のお祝いのお饅頭が届いた。
しばらく甘いものが食べられる。うふふふ・・・・・・。
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蟹ぞうすい
 美味しそうで大きな渡り蟹で蟹雑炊をつくった。
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 味付けは味噌で、濃厚で美味しい雑炊だった。
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 パプリカと茄子の味噌炒め
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# by hanamomo08 | 2016-09-18 21:23 | 美味しいもの

月見草

太宰治の短編小説『富嶽百景』に『富士には月見草がよく似合う。』という文章がでてくる。
レモン色のその花は『宵待草』とも呼ばれている。
あの富士山の裾野に咲く花なら、月見草でなくてもどんな花だってきれいなはずだと思っていた。

でも数年前に秋田と山形にまたがる鳥海山をバックに咲く菜の花を見て、やっぱり美しい山には黄色い花が似合うのかもしれないと思った。

この花は夕方咲き始め、次の日にはしぼんでしまう。
でもたまに元気な花は夜の姿の甘さいているのもあるそうだ。
今日家の近くで見つけた宵待ち草
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朝もなほ庭に名残の月見草 阿部ひろし

月見草昨夜の星屑纏ひ出づ 稲畑廣太郎

誰がための闇彩りて月見草 稲畑汀子

本当の満月は今夜17日だったらしいが、雨が降ってきて、今夜は月見は無理そうだ。

昼顔の花も雨の日はこうしてすぼんだまま
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# by hanamomo08 | 2016-09-17 23:09 | 草花

ぼだっこ

雪国秋田の人たちはとてもしょっぱいものが好きだ。
美味しい米あきたこまちがあるからなのか?その因果関係はわからない。

叔母の見舞いに行った。
完全看護の病院だが、ご飯の時はそれぞれの家族が食事の介助にやってくる。

叔母のはす向かいのベッドの人は毎日娘さんがおかずを持ってくるとのこと。
蒸かしたお芋だったり、三五八に漬けて焼いたハタハタだったりするらしい。
娘さんは目立たぬように食べさせたいらしいが、お母さんの方は耳も遠くなり、話し声が大きくてすぐに聞こえてしまう。
季節のもののほかに持ってくるのがご飯にのせて食べるしょっぱいもの。
秋田の人が大好きなたらこ、筋子、ぼだっこ(秋田三大塩干物)、昆布の佃煮やなめ味噌など・・・・。
豊富なバリエーションで持ってくるらしい。
※白魚の卵とじの隣にあるのが『ぼだっこ』(塩鮭)

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80年以上もしょっぱいものをのせてご飯を食べていると、急にやめられないらしい。
給食を見て、娘さんが出すのを加減しているのだが、お母さんの方は出てこないと『ぼだっこ、どさえった?』と探している。

その隣の女性も『隣の人もってきているから、私さも、持ってきてけれ~』と娘さんにごね始めた。

もうお一方はまだ食事が摂れる状態ではないが、うわごとのように『ぼだっこ~』と言っている。
やっぱり白いご飯にぼだっこが食べたいのだ。

四人とも脳疾患で入院中だ。
苦しい思いをして、入院し、点滴、投薬、三度の薄味の病院食で頑張っているのだが、こんなことをしているとなかなかゴールは遠のいてしまうだろう。

叔母に私が持参したのは今出始めたお刺身用の白魚を薄味で煮て卵とじしたものと梅干しを少し。
叔母はとても喜んだ。
また美味しい林檎でも持ってお見舞いに来るからと病院を出た。
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晩ご飯
 豚肉の生姜焼き
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 茄子の胡麻味噌和え
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# by hanamomo08 | 2016-09-16 16:52 | 日々のこと

十五夜

今夜は十五夜、正確にはあさってが満月らしいが、私の目には今夜も満月だ。
一週間ほど前からいつもの和菓子屋さんの店先には『お月見まんじゅう』と墨で書いた半紙が貼ってあった。
午後、行ってみるといつもより賑やかな店先の風景。
大福と黒糖まんじゅう、そしてお月見まんじゅうを包んでもらった。
すれちがう人たちもスーパーから買ったお月見の花束を抱えている。
私も家に戻って、お月見の花を見繕う。
空き地に生えているすすきを刈り、庭から蓼、赤水引、ヨウシュヤマゴボウ、ケイトウなどを合わせた。
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東の方に白く丸い月 夕月夜が見えた。
 
満ちてゆく夜々はじまりぬ夕月夜 稲畑汀子
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日が暮れるのがとても早くなった。
白い月は闇夜を照らす月に変わった。

煌々と名月近き今宵なり  小俣美恵
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月見の宴はビーフシチュウ、赤ワインたっぷりで煮込んだすね肉が美味しい。
じゃがいもはとけるので蒸したものをあとで入れた。
開け放った窓からは少し冷たい秋の風が入ってくる。

赤ワイン酌みて名月ほしいまま 坂上香菜
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ワインを飲んだあと、梨を剥く。
あっさりとした甘い果汁が口に広がる。
亡き友人のご主人が送ってくださった美味しい梨、感謝しつつそして貴女を偲びつつ。
煌々とした月明かりは、街灯の下に腰掛けていつまでも話をしていた昔の私たちを思い出させた。

お月見まんじゅう
一口で食べられそうなうさぎさんの薯蕷饅頭は母に。
しっとりとした薯蕷饅頭は母の大好物で、大喜びしていた。
今年も十五夜をめでることができて嬉しい。
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# by hanamomo08 | 2016-09-15 22:59 | 季節の行事


暮らしに花を


by hanamomo08

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